発生から3日目を迎えた大分市佐賀関の大規模火災。「鎮圧」となったものの、完全な鎮火には至っていません。火種は各所にくすぶっていて、依然、消火活動が続けられていて、規制線解除のめどはたっていません。

大分市佐賀関で住宅など170棟以上が焼けた大規模火災。市の災害対策本部は、ほぼ消し止められたとして、飛び火したとみられる無人島をのぞき、「午前11時に鎮圧した」と発表しました。

しかし、避難生活は続きます。

避難している人
「鎮圧・鎮火されたといっても帰るところがない。だから、ここにいるわけ」
「(Q.鎮圧と聞いたときは?)一安心ですよね。知り合いもいっぱいいる地区なので、燃えないと思うと安心」

20日、避難所には、県の備蓄品の段ボールベッド150台が持ち込まれました。

ここには、70世帯108人が避難していますが、支援の輪も広がっています。

喜入友浩 キャスター
「市内の温泉で無料の入浴支援が行われるということで、避難所では入浴券が配布されています」

市内の温泉施設や高齢者介護施設のお風呂に無料で入ることができます。

入浴券を受け取った人
「(Q.このあと風呂に行く?)午後5時か6時ごろ、落ち着いてから行く。まだ住む場所も決まっていない。ありがたいよね、全然風呂入れんかったから」

被災した人が心配なのは自宅の状況です。警察の調査に同行して規制線の中に入った女性。現地で撮影した写真には、被害の深刻さが写っていました。

規制線の中に入った人
「台所の窓の下は残っている。ボイラーの管はそのまま残っているけど。犬小屋、ブロック塀は残っていて、上の網やネットはない」

一方、奇跡的な再会を果たした“家族”がいます。避難所を訪れた消防団員。連れていたのは、規制線の中にいた一匹の犬です。そこに駆け寄ってきたのは…

消防団員
「渡辺さん、良かった」

愛犬「ミノ」と再会した飼い主の渡辺さんです。

消防団員
「家の周りを玄関くるくる回っていた。『おいで』と言ったら来た。そのまま抱っこして」

火災当日、渡辺さんはミノを連れ、火元から離れた夫の実家に避難していました。ところが…

渡辺寿賀子さん
「燃えないと思っていて連れて行ったら、おばあちゃんの所(夫の実家)が燃えた。『避難してください』と。動物はできなくて、そのままになっていた」

置いてきてしまった愛犬。しかし、ミノは奇跡的に火から逃れ、消防団員が発見したのです。

再び会えた“家族”。

渡辺寿賀子さん
「いろいろしてくれて感謝です。安心しています」

住宅密集地の火は「鎮圧」となったものの、完全な鎮火には至っていません。現場周辺では、立ち入り規制がまだ続いています。