※十和田市商工観光課 米田宏幸 課長「写真を撮るために枝を切った人もいた。そういうのをなくする。監視体制とか。人が管理しなくては、いけなくなってきている」

交通渋滞が起きないように誘導員を配置することになり、その経費を補うため、協力金の制度が導入されました。ただ、なかには協力金を払わないですむように規制が始まる今月中旬に訪れる人の姿も。

※規制前に訪れた人は「(Q入場料はご存じでしたか?)その前に行こうかなと思って来ました。高いなと感じる」
蔦沼の協力金は、全国で実施されている協力金と比べ割高になっています。

富士山では、世界文化遺産の登録を契機に協力金の導入が議論され、2014年から本格実施。1人につき1000円支払ってもらい環境を保全するための事業などに使っています。コバルトブルーに輝く神秘的な光景が人気の北海道・美瑛町(びえいちょう)の「青い池」。観光客の増加に伴い交通渋滞が大きな問題となり、大型の駐車場を整備。駐車料金は車1台につき500円で池を維持管理するための費用にあてています。
それではなぜ、蔦沼の協力金は高いのか。疑問を十和田市に投げかけてみると…。

※十和田市商工観光課米田宏幸課長「(Qそれだけ経費がかかるということですか?)そうですね、かかります。今のところはトントン。儲かりはしません。もっと対策をするのであればいろんな可能性があると思いますが」
2021年、蔦沼の交通対策事業にかかった経費は1090万4440円。内訳は、人件費が全体の半分以上をしめ607万2000円でついでその他管理費、チラシや看板の作成費などとなっています。人件費などで費用がかさむのに対して駐車場にとめられる車は35台程度と限られているため、どうしても1人あたりの協力金は高くなる側面があるといいます。

こうした点について、観光問題を研究している日本交通公社の寺崎竜雄(てらさき・たつお)常務理事は次のように指摘します。
※日本交通公社 寺崎竜雄 常務理事
「実際に受け取った協力金のかなりの部分が人件費に使われることが多く課題である。今後5年後10年後を見据えた中でこの地をどのようにしていくのか。地元、経済、環境にとっても、そして来訪する方にとってもいい方向なのかということをみなさんで考えて対応することが必要」

協力金の実施には、環境保全と誘客の両立、そして、観光客に理解してもらえるよう周知できるのかという大きな課題が横たわっています。

市川キャスター)ここからは取材をした須崎記者に話を聞いていきます。

蔦沼は人件費がかさんだことで、協力金は割高になりましたが、他の自治体はどう対応しているのでしょうか?
須崎記者)北海道・美瑛町の「青い池」と比較します。まず大きいのは、青い池は通年で人気が高いことです。このため最大で281台をとめることができる駐車場を建設。乗用車は1台500円です。
これに対して、蔦沼は紅葉の時期の人気が高いため蔦温泉の駐車場を使っています。駐車できるのは35台程度です。そして、この時期だけ誘導員を雇うため、早朝は車1台4000円、同乗者1人につき2000円と割高になります。

市川キャスター)紅葉の時期だけでは、駐車場建設とは簡単にはいかず、難しい側面ありますね。
須崎記者)難しい部分はあります。そのなかでも十和田市は他の観光地の事例を参考にして、蔦沼の協力金の主旨を理解してもらいながら、満足度を向上させられる制度を作り、広報していくことが必要ではないでしょうか。















