青森県の岩木川河川敷の貴重な動植物の生息環境を守ることを目的として、枯れたヨシ原への火入れの実証実験が行われました。

残雪の岩木山を背に、真っ赤な火柱を上げて燃え広がる枯れたヨシ原。

貴重な動植物の生態系を守ろうと、青森河川国道事務所や中泊町の住民で組織する団体が2018年から取り組んでいます。

かつては地域の住民が行っていた火入れは、ヨシの需要が減るにつれ25年ほど前に姿を消していました。

竹田岩木川改修堤防保護組合 三上一美 会長
「(昔は)良いヨシがいっぱい生えていた。今と違って質が良かった。この辺全部(ヨシを)刈って、収入源になっていた」

火入れはヤナギなどの侵入による環境の悪化を防ぐとともに、防災の観点からも重要だといいます。

青森河川国道事務所 武田佳輔 副所長
「樹木が生えると洪水時に川の流れが流れづらくなる。洪水氾濫を防ぐという意味でも火入れは大切なことだと考えている」

検討会では、今後も実証実験を重ねて地域の伝統行事、春の風物詩として火入れを復活させたいとしています。