来年度卒業の大学生を対象にした合同企業説明会が青森市で始まりました。昨今は人手不足を背景に「売り手市場」が続いていますが、企業選び、人材確保の双方の視点を取材しました。
3月1日に大学生の就職活動が解禁され、青森市の大学で企業や官公庁の合同説明会がはじまりました。
人材不足を背景に、この春に卒業する学生の就職内定率は、1月末時点で過去4番目に高い87.4%。来年度も引き続き「売り手市場」が伺えます。
それを一番、感じているのが学生たちでした。
県内出身の学生(県内就職希望)
「どこの企業に聞きに行っても『お待ちしております』と言われる」
一方の買い手側では、金の卵たちに選択権があるとする企業が多くみられました。
運輸業(本社が県内)
「ここ数年は特に(売り手市場を)感じています。だからこそ、なるべく魅力を発信して、選ばれる側として今までとはま
学生・企業それぞれが重視するのは、どんな点なのでしょうか?
来年度の初任給について、民間の調査会社のアンケートによりますと、20万~25万円未満が全体の約62%と最も高くなり、前の年度から4.7ポイント上昇しました。また、30万円以上も1.7%と上昇するなど、ここ数年で賃上げの波が加速しています。

こうした傾向について企業は…。
保険会社(本社が東京)
「学生の会社を見る目が厳しくなっている。全国の総合型と地域型の社員で給与体系が違っていたが、いま一本化して横に並ぶように近づけている」
ただ、学生からは「賃金にこだわらない」とする意見も多く聞かれました。
県内出身の学生(県内就職希望)
「地元に残って何か自分が貢献できる仕事に就けたらいいなと思って、県内就職を希望している。賃金も確かに大切だが、賃金よりも生まれ育った場所が青森だったので、首都圏よりも青森県で就職して仕事したい思いが強い」
北海道出身の学生(青森県内就職希望)
「希望勤務地で働けるかなというのは考えている。出身は違うが県内で働きたい」
仕事への「やりがい」や「地域貢献」など、自分の成長とともにプライベートな時間の確保。「働き方へのこだわり」も垣間見えます。
合同説明会は5日も行われ、約500人の学生が参加する見込みです。