2019年の聖地宣言から5年──“アジフライ”の聖地、長崎県松浦市。ブランド化成功の鍵は何だったのか?自治体・地元の飲食店が一丸となった「アジフライ憲章」や「マップ・グッズ制作」など “地域の宝”を世界へ発信する取り組みを取材しました。

【住吉光アナウンサー(以下:住)】長崎の暮らし経済ウイークリーオピニオン。平家達史NBC論説委員とお伝えします。
【平家達史NBC論説委員(以下:平)】今週のテーマは──
“アジフライの聖地” 松浦 ブランド化成功の鍵は?
【住】知名度はすでに全国区ですよね。

【平】長崎県松浦市は、2019年に「アジフライの聖地松浦」を宣言して5年目を迎えます。何故アジフライに着目したのか、その理由を聖地化の仕掛け人ともいえる友田吉泰松浦市長にお聞ききました。

アジフライの聖地を宣言した友田松浦市長。ヒントとなったのは、ある自治体の取り組みでした。

友田市長:
「松浦の宝物って何だろうということを考えました。大分県中津市って“唐揚げの聖地”って言ってるでしょ。唐揚げの聖地があるなら、“アジフライの聖地”があってもいいと思う。とりわけ松浦はアジの水揚げ量が日本一で、驚くほど美味しいアジフライがあるんですよ」
松浦市の2022年のマアジの水揚げ量はおよそ1万9,000トンで全国1位。アジは、松浦沖の対馬暖流域に多く生息することから毎月1,000トン以上の水揚げがあります。

水揚げされたばかりの新鮮なアジを“刺身”ではなく、あえて“フライ”にするのは、『生で食べるのが苦手な人にも食べてもらいたい』という思いからでした。