通信販売を始めて今年で8年。小黒さんにはある夢があります。その原動力は、16歳の長男・慎(しん)さんの存在です。

慎さんは自閉症と知的障害があり、去年の春、特別支援学校の高等部に入学しました。家庭では家族の誕生日ケーキを作ったり、掃除や洗濯をしたり。できることが日に日に増えている一方で、小黒さんは慎さんの進路を考えたとき、社会の受け皿がどうしても限られてしまうと感じていました。

プティリス 小黒小百合さん
「(周りは)高校に入ったら大学受験、専門学校、就職といろんな選択肢がある中で、息子が通う所の進路は本当に限られているのが現実だなって思い知った。もっと(社会で)できる環境を増やしてあげたい。そのひとつがお菓子の事業であってほしいなって」

小黒さんは誰もが互いに認め合い、ともに働ける環境を増やすためロースイーツがひとつのきっかけになればと願っています。
プティリス 小黒小百合さん
「これは本当に野望みたいなもの…。ロースイーツの製造方法って実はすごく簡単な部分もあって、どなたでも再現しやすい、作りやすい。障害のあるなしに関わらず、全国にロースイーツを知ってもらえれば、価値が広がって作り手が増える。うちだけではなくて、他の地域の方にも結果的に役立ってほしい」

障害のある人の就労支援にもつなげたいという「プティリス」のロースイーツは、オンラインメインで販売しているということです。
食べれば心も体も喜ぶローチョコレート。その小さな一粒には、かわいいだけにはとどまらない大きな夢が詰まっています。