出院近いBさん…新しい環境への不安
別の日、佐渡さんは先輩の法務教官に、ある収容者について相談をしていました。
(佐渡法務教官)「あとちょっとで変わりますかね?」
(先輩法務教官)「でも1、2か月あったら若い子ってちょっとでも視点が変わるだけで大きく変化があると思う。彼からのアクションを待つより、話しかけていくスタンスで接していくことが、彼にとっては大事かなと思うけどね」
佐渡さんが気にかけていたのは19歳の時に特殊詐欺の受け子をしたBさん(20)。ここにきてすでに1年近くが過ぎています。
(Bさん)「悪さでお金を稼ぐことで自分の立場を確実にしたかった。自分の周りで悪さでお金を稼いでいる人の中でも、自分がその中でも稼いでいる方に入りたい気持ちもあった」
Bさんは出院を控えていて、出院後は新しい環境で働くことが決まっています。しかし、そこでうまく人間関係を築けずに元の不良グループと再会してまた罪を犯してしまうのではないか、Bさん自身が不安に感じていたのです。