洗濯物について悩むAさん「どう伝えたらいいかわからない」

 取材した日、個別面接をしていたのは、傷害と恐喝の罪で半年前に送致されたAさん(当時17)です。会話の内容は洗濯物についてやスリッパの並べ方など集団生活での些細なことです。

 (佐渡法務教官)「最近元気ないけど大丈夫?」
(Aさん)「最近しんどくて。対人関係でしんどいです」
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 (Aさん)「洗濯物とか裏返して出している人がいるじゃないですか。あれ僕が直しているんですよ。どういうふうに伝えたらいいのかわからなくて、うまいことちゃんと言えない。それが悩みで。どうしたらいいのかな」
 (佐渡法務教官)「ここでできることって言ったら、自分が思い浮かんだ言葉をそのままノートに書いてみたら?文字に起こして目で見てみるねん。言葉って視覚に入らないからイメージが湧きにくいと思うんやけど、あれちょっとおかしいな?みたいな、もしかしたら気付けるかもしれない」
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 佐渡さんによりますと、ここに来る少年の多くは思い込みが激しく、感情を言葉にするのが苦手なのだと言います。

 (佐渡法務教官)「こだわりが強すぎて、ちょっと考えたらわかること、こうしたら良いということも上手く表現できずにトラブルになることが多いのかなと思います。大人を信用していない子どもたちが多くて、良い大人もいるんだなと感じてもらえれば、そこから更生につながっていくのかなと」