しかし、緊急浮上訓練の見直しなど抜本的な再発防止策は示されず、民間人の体験搭乗も継続されています。

加戸前知事は、日米関係の枠組みを意識しながらの対応だったと振り返ります。

愛媛県 故・加戸守行前知事(2019年1月取材)
「県民感情は激しく燃え上がっちゃうだろうと。一方において、日米安保条約というのがあるから、アメリカ頼りで日本が生きているときに、その関係をこのことを理由に崩され支障が起きても困るな、ということで…」

えひめ丸事故の現場海域を臨むハワイの慰霊碑。碑文には「不注意でぶつけられた」という文言が入る予定でしたが、単に「衝突した」という表現に変更され、対米関係への配慮が浮き彫りになりました。

事故から約1年10か月、2002年12月、遺族とアメリカとの補償交渉がほぼまとまった段階になって、ワドル元艦長が宇和島市を訪問、関係者に謝罪しました。