―――母親が信者だったことを踏まえて、容疑者がかかわりを持つことはなかったのか、恨みや不満について容疑者から示してくることはなかったのか?
「記録として、会員になったことはありません。そのうえでもし可能性としてあれば、母親がかかわり始めたのが1990年代後半になります。そうすると徹也容疑者は10代の後半になります。そのころに一緒に来て学んでいたという可能性がないとは言えません。その記録がないのでわかりませんが、会員になるほどの学びを深めたという事実はないんだと思います」
―――恨みや不満について本人から示してくるのは?
「今いるメンバーで直接恨みを示された人はいません。関わっていないと言ったほうがいいかもしれません」
―――宗教法人を狙おうとしていたという発言があった、兆しや対応は?
「受け止めを先に申し上げます。徹也容疑者の暴挙に至った、それが真実の動機だというふうに最終的に捜査の結果至ったとしたら、それはとても重く受け止めていきます。我々の法人の実名報道によって、多くの社会的な不安やあるいは心配事等が発生したとしたら、それも併せて重く受け止めていかないといけないと考えております。いずれにせよ協会に対する恨みや、そこから安倍元総理の殺害に至るということは、とても大きな距離があって、私たちもその理解に困惑しています。今後、警察が捜査本部を中心としながら動機解明に向かって全力を挙げて今もおられるんだろうと思っております。私たちもそのことは重要なテーマだと思っていますので、警察にも全面協力させていただきますので、要望があればいつでも要請くださいとお伝えをしておりますので、もし要請があれば全面協力をしたいと考えております」
―――未確認情報として、山上容疑者が分裂した後のサンクチュアリ教会があり、そちらに入ったのではないかという情報があったが、協会では確認済み?サンクチュアリとの関係は?
「サンクチュアリは略称と思います。サンクチュアリ教会が私どもの法人から分裂したとは考えておりません。文鮮明・鶴子総裁の子息がアメリカで新しく宗教法人として立ち上げました。私たちとは完全に別宗教として動いている。支部として日本にも2015年に社団法人として立ち上がっていると理解しています。ただこの団体に山上容疑者が入っていたかどうか、かかわっていたかどうか、私たちも追いかけておりませんし、また掌握もしておりません」
―――山上容疑者が安倍元総理を襲撃前に試し打ち、この点は奈良から報告は?
「特定の教会名は申し上げられないが、可能性のある教会に確認しました。全くそういう声が信徒からもなかったということですが、報道では明け方、朝だったと報道されておりましたので、その頃は信徒は来ておられませんし、おそらく信徒からの情報はないのが正解だと思います。ただ外観外壁の確認していただきました。そういう痕跡もないということでありますので、私が訪ねた教会だったのか別の教会だったのか、警察から正確な情報をむしろいただきたいと思っています」
―――国内での年間献金額はどの程度ありますか?山上さんは1990年代後半入会ということだが具体的に何年から?正式な教会登録か賛同会員か?安倍元総理が就任後に世界平和統一家庭連合幹部かどなたかを官邸への招待はあったか?
「我が法人の年間の献金額、この場では控えさせていただきたいと思います。すべての献金内容は国にも報告をしておりますので、そちらで確認できるようならお願いしたい。それからお母さんの入会ですが、98年頃だと思われるが、20数年前で性格な情報がありません。破綻されたということをお聞きしているが、これが2002年頃だったと思います。その頃に私たちの教会とどのくらいのかかわり方を持っておられたかということも、当時の者たちはすでにおりませんので把握しきれていないのが現状ですが、調査を深めているところであります。献金をどのくらいされたかも含めて20数年前の記録までたどり切れないのが現状で、警察の捜査の中で本人から聞いていただけるようになると思っていますし、それを通して改めて確認を深め協力していきたいと思っています。それから安倍首相が総理になられて、官邸に私たちの法人の幹部を招待したことはありません。山上容疑者のお母さんの会員区分は、一度正会員になっています。その後しばらくお越しになられていなかった時期が長く続いていたと聞いています。そして2,3年前から改めて教会員と連絡を取るようになって、この半年くらいは1か月に1度の教会の企画に参加しているという風に聞いています。それほど毎週毎週来て礼拝に参加しているという状況でもないということは今のところ事実だと思います」
―――しばらくというのはいつ?
「今の段階で把握しているのが、2009年頃から2017年頃までは、連絡が取れていなかったのではないかと思う。早い段階での関係者もまだつかみ切れていないので、今調査を進めていきながら、また警察の要望があればご本人の口から聞かれることもあると思うので、それですり合わせていこうと思っています」
―――お母さんは最近月に1度来ていたということだが、直近まで来ていたということなのか?過去に民事訴訟で違法献金など認定されて法人で賠償や和解に応じられたケースもあると思うが、そうしたこと続いているのか?過去こういうケースがあったということについての見解は?
「直近の参加ですけど、私たちが把握できているのは、2か月前に一度教会が主催した企画に参加しています。この半年は月に1回くらいだったんじゃないか。親交を深めている教会員が1人いる。この人との関係は深めていても、教会の企画や行事に直接すべての行事に参加しているわけではないということは理解しています。大体親交を深めている人と月に1度くらい参加していたと理解していただければ。過去の献金について現在どうなのか、過去献金に関してトラブルがあったということは報道関係者の皆さんも周知の事実だと思います。2009年だったでしょうか、当法人会長が会見して声明文を発表しました。それから13年が経った。声明文で強調されたのがコンプライアンスで、それ以降13年、当法人も末端に至るまでコンプライアンス徹底を進めてきた。そういう面で見れば当法人も大きく献金に対する姿勢を含めて変わってきたと思っている」
―――現状はトラブルはない?
「2009年以降の案件でトラブルはありません」
(7月17日に追加コメントを発表:会見における当法人会長の「それ以降のトラブルはない」との発言については、2009年のコンプライアンス宣言以降は、信徒たちのコンプライアンス遵守の結果が大きく表れているという趣旨で行ったものであります。それまでのようなトラブルがゼロになったという意味で言ったものではありません。その点は言葉不足で、誤解を招いてしまったことを率直にお詫び申し上げます)