安倍元総理が奈良県奈良市で銃撃され死亡した事件で、山上徹也容疑者が事件直前、安倍元総理の殺害をほのめかす手紙を島根県松江市に住む男性に送っていたとみられることが分かりました。
男性は、取材に対し「直接話してくれればよかった」などと話しました。


山上容疑者が送ったとみられる手紙
「母の入信から億を超える金銭の浪費、家庭崩壊、破産・・・この経過と共に私の10代は過ぎ去りました」

これは17日、手紙を受け取った松江市内に住むフリージャーナリスト・米本和広氏が公開した手紙。

封筒に差出人の名前はありませんが、山上徹也容疑者が送ったものとみられています。

手紙には、旧統一教会への恨みがつづられるとともに、安倍元総理の殺害を示唆する内容が記されています。

山上容疑者が送ったとみられる手紙
「安部は本来の敵ではないのです」
「最も影響力のある統一教会シンパの一人に過ぎません」
「安部の死がもたらす政治的な意味、結果、最早それを考える余裕は私にはありません」

米本氏は、旧統一教会の活動を批判するブログを運営していて、山上容疑者は手紙でこのブログの読者であると明かしていますが、米本氏と山上容疑者に面識はなかったということです。

また、捜査関係者などによりますと、山上容疑者がツイッターで、旧統一教会への恨みなどを繰り返し投稿していたとみられることも分かっています。

山上容疑者は事件前日、安倍元総理の遊説先である岡山市も訪れていて、封筒の消印などから、手紙はそのころ岡山市から送ったとみられています。

米本氏は、取材に対し、手紙を読んだのは事件後の7月13日としたうえで、「人を殺したことは間違いだと思う」「岡山から島根に来て直接話してくれればよかった」などと話しました。

奈良県警は、すでに手紙を押収、18日も調書作成のため米本氏の自宅を訪れていて、詳しい経緯を調べています。