できなかった同伴避難 被災地では男性亡くなる

東日本大震災や熊本地震のときにも問題となった災害時のペットの避難。

被災地でペットが飼い主とはぐれ放浪状態となると命を落としたり住民へ危害をもたらす恐れもあることから、国はペットと一緒に安全な場所まで避難する「同行避難」を推奨しています。


一方で「同伴避難」については避難所の状況によって代わるため、各自治体に判断を委ねていて、対応がまちまちとなってしまっているのが現状です。


こうした中、先月痛ましい出来事が起きてしまいました。

JNN取材団 長沢祐記者
「こちらの住宅に住んでいた男性はペットを飼っていたため避難所には行かず、あちらの納屋で生活していました」

珠洲市で納屋が全焼した火事。焼け跡からはペットとともにこの納屋で避難生活を続けていた男性のものとみられる遺体の一部が見つかりました。

男性は知人に「ペットがいるから避難所に行けない」と話していたということです。


現場周辺ではこの男性の飼いネコも竹内さんが保護したといいます。

竹内かおりさん
「お腹がすいていたようでおやつとかあげて。県獣医師会の取り組みで県内の動物病院でちゃんと暖かい安全な場所で預かってもらっている」

大地震が起きるたびに、浮かび上がるこの課題。ペットと暮らす人にとっては、支援体制の構築が依然として進んでいないと感じられるのが実情です。

竹内かおりさん
「ペットの同伴避難に関しては数少ない自治体が自主的に取り組んでいるところもあるというまでで、国としてすべての地域で当たり前に避難が出来る環境がまだ整っていない。それはとても残念だと思った」