長崎県内各地で朝夕、空を埋め尽くすような黒い塊が見られています。
視聴者の方からびっくりするような映像が届きました。

撮影者:「うわ…見て、何?この塊…クジラのごたる」
子ども:「クジラになりよる」
先月5日、長崎市で撮影された映像です。空を埋めつくすような鳥の大群です。この他、長崎県諫早市でも先月26日の朝、確認されました。
撮影した方によると、とにかく羽音が大きくて怖いと感じるほどだったそうです。

長崎市自然環境調査委員によりますと、その正体は『トモエガモ』という小型のカモだということです。

『トモエガモ』はロシアで繁殖し、冬になると日本や韓国などにやってきて越冬するカモで、夕方は餌を探しに群れで山へ。朝は休息する場所に戻るため、朝と夕方にこのような《大群》が見られるそうです。
環境省がまとめたレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)の“絶滅危惧2類”に指定されています。

今回の映像を見ますと、絶滅危惧種とは思えないほどの大群です。
環境省の「渡り鳥関連情報」によりますと、一時期は減少していたのですが、近年は増加傾向にあり、長崎県の諫早湾では今年度14万羽の飛来が確認されています。

なぜ急激に増えたのか、トモエガモの生態について調査している石川県加賀市鴨池観察館に聞いたところ「ロシアで数が増えているという話がある。そのため、日本に飛来する数も増えている可能性がある」という事です。