「本当は帰りたい」住民戻らぬ集落 廃村の危惧

この集落から避難した住民を訪ねた。

谷内初子さん(76歳)は、夫婦で加賀市の温泉旅館に2次避難している。

1月、息子と連絡が取れず、孤立集落から片道8キロの市役所にむかう途中、山道で私達と出会った。

谷内初子さん
「帰り途中から、もう足が前に進まないほどでしたし、風も強かったですね。(自宅に戻って)そのあと急に、“30分でヘリ来るから用意して”と言われて。本当にバタバタして。ここ夜中につきました」

「ここに来て、お風呂に入って、いっぱい溢れているお湯を見て、水がね、“もったいないな”って。そんなこと今まで思ったことないのに、水汲みをずっとしてたので。そう思いましたね」

地震から1か月。「ふるさとの未来に希望は持てない」と谷内さんは嘆く。

――今後の集落、どういう風にいくと思われますか?

谷内初子さん
「私はお父さんと“廃村”やねって言っています。ゴーストタウンや。国や県の予算では、あそこにお金つぎ込むあれはない。なぜならば、もうほとんどが後期高齢者なんです。子供の声なんか聞こえないところなんです」

「帰りたい。本当は帰りたい」