“想定外を前提”にした災害対策は可能か?
藤森祥平キャスター:
北陸電力は事前に、能登半島北部の大地震断層について、連動する全長を96キロと評価をしていました。
ただ、国の調査によりますと、今回の地震で、その1.5倍、150キロ程度の断層が連動したのではないかと見られています。

これを受けて、東京学芸大学の藤本光一郎 名誉教授は、「一般的に、断層の長さが長いほど、地震のエネルギーは大きくなる。調査が難しい海底断層は、“想定外を前提”に、安全基準などの評価を見直す必要もある」と話しています。

喜入友浩キャスター:
原発周辺に住む方々を取材すると、多く聞かれたのは、避難計画の見直しを求める声でした。
住民の中には、毎年のように避難訓練に参加して、地域のどこに集まって、用意されたバスに乗って、どのルートでどこに向かうのか、しっかりと頭に入れていたという方もいらっしゃいました。
ただ、今回の地震では、その避難計画通りのルートで避難するのは厳しいのではないか、道路状況があまりにも悪すぎた、と振り返っています。

確かに、道路状況というのは、行ってみないと通れるかどうかわからないもの。ですから、想定外をどれだけ減らせるかも含めて、避難計画の見直しが求められます。
斎藤幸平 東京大学 准教授:
今回の避難の話で思い出したのは、東日本大震災のときも、南相馬市では、避難計画がなかった。それで混乱してしまったという話があった。
これは、原発は基本的に事故を起こさないものだ、という原発神話があって、深刻なシナリオの避難計画が作られない傾向があったせい。
その弊害が、今回も、同じように現れていたんじゃないか。

“想定外”という言葉に関しても情報が常に後出しになって、追及されたあとに、「これは想定外でした」という、責任逃れの言葉になっている。
活断層について、あらかじめ全ての情報を想定することができない中で、こういう技術を使っていいのか。原発の災害対策は、“想定外が前提”になってしまっている。それなのに50基以上も作られてきたのは問題。
藤森キャスター:
全国では現在、33基ある原発のうち、西日本にある12基が再稼働している状況です。

今回の能登地震を受けて、市民団体が、県などとコンタクトを取って、避難計画の見直しなどを求める動きが、少しずつ広がっています。














