日本共産党が7月15日、創立100年を迎えました。戦前の弾圧、戦後も党の分裂など複雑な歴史を経た共産党が、今後も続くためのカギは何か。日本政治が専門で「日本共産党『革命』を夢見た100年」の著書がある一橋大学の中北浩爾教授に聞きました。

ーー共産党が15日に創立100周年を迎えました。

政党が100年持った例は日本で他にないわけで、それ自体、非常にすごいことだと思います。なぜ100年持つことができたとかというと、それなりに時代に合わせて方針、組織を変えてきた、そういう力を持ち合わせていたということが、かなり大きな要因だと思います。

ただ100年間、党の目的であるはずの革命を起こせたのかということが、同時に問われないといけない。この点では、やはり失格と言わざるを得ないわけで、100年間一度も日本では共産党が主導する形の革命は起きなかったわけです。

共産党はそれに対して日本は先進国だと、後進国であるロシア、中国とは出発点が違うんだということを強調しますけれども、では先進国で革命が起きたのかというと、一度たりとも先進国では共産党が主導する革命が起きていない。この100年、共産党が続いたということ自体は、おそらく素晴らしいこと、すごいことなんですけれども、しかし100年革命を起こせなかったし、その見通しもないということについては重く受け止めないといけないと思います。

ーー共産党にとって、この参院選はどのような結果だと評価されますか?

かなり厳しい結果だったと言えると思います。それは二重の意味で、一つは改選議席が4議席に減少したということ、とりわけ比例票は前々回が600万票、前回が450万票ぐらいで、今回の361万票と、かなり急激に減っています。

もう一つはいわゆる「野党共闘」の行き詰まりで、2016年の参院選以来、野党間の選挙協力をやって野党連合政権を目指すというのが、志位さんの基本的な戦略ですけれども、去年の衆院選でかなり行き詰まって、その流れで今回、参院選ですけれども選挙協力が十分できなかった。集票力の点からいっても野党共闘の点からいっても、今回の参院選はかなり厳しい結果だったと思います。

ーー今後、共産党を含めた形での野党共闘はあり得るのでしょうか?

前回の衆院選、立憲民主党と共産党はかなり密接に協力し、政権の合意まであったと志位さんは仰った。しかし立憲民主党の総括を見ると、あの合意というのは、共産党と閣外協力すらしないための合意だったと、こういう総括になっているわけで、枝野さんもそう考えていたということですね。だとすると、やはり立憲民主党は共産党とは、候補者調整まではするけれども、政権を共にするということを考えていないということです。これは泉さんの前からそうであって、立憲民主党がそう考えているということです。もし立憲民主党と政権を担えるところまで一緒にやっていこうということであれば、やはり共産党の方が変わらないとなかなか難しいという状況ではないでしょうか。