「薬物依存」に陥る理由

自身も薬物依存に苦しんだ飯室さんは、茨城県にある支援施設「茨城ダルク」での生活を経て、仙台ダルクの代表を任されました。代表を務めて25年、覚醒剤を絶ってからは30年近くになります。

仙台ダルク 飯室勉さん:
「やめ続けるのは難しいと思うよ。社会は薬を使っていないと治ったってなるんだけど治ったと言われても、また何年か経ったら使っちゃったという話はいくらでもある」

仙台ダルクでは現在、12人が共同生活を送りながら薬物やアルコール依存からの回復に取り組んでいます。薬物使用のきっかけは、好奇心や友人に勧められたという理由が多くを占めます。しかし、それは表面的な理由で、実際は心の中にある問題を誤魔化すために使い始めるケースが多いと飯室さんは話します。

仙台ダルク 飯室勉さん:
「人の心には風船があって生きていると空気が入り続ける。空気の中に例えば高校中退や親の離婚とかが入る。この話って話しやすいか話しにくいか。これが話しやすければ入った空気が出て風船はパンパンにはならない。だけど、空気の出し入れができないからパンパンになってしまい、破裂するのをごまかすために酒を飲んだり薬を使ったりしてごまかす」

薬やアルコールで家族や金の問題など心の中にある問題から現実逃避できる。それが快楽となり「依存症」という病に繋がります。

仙台ダルク 飯室勉さん:
「(依存症は)簡単に言うと頼るってことなんだけど、あるいは逃げ道だよね。自分が自分でなくなってしまうので助けが必要、支援が必要だと思う」

仙台ダルクで行われている回復プログラムの一つが「ミーティング」です。