シリーズ「現場から」。能登半島地震の被災地には日本酒を造る多くの酒蔵があります。寒さが厳しいこの時期は、毎日、新酒の仕込みに追われているはずでした。
中島酒造 中島遼太郎さん
「看板が残ってたのは良かった。うれしかった」
石川県輪島市の中島酒造。年間の生産量が1万本ほどの小さな酒蔵を襲った地震では、店の看板こそ残ったものの、建物はほとんどが倒壊しました。蔵元の経営に関わりながら、杜氏として酒造りも担う中島遼太郎さんにとっては、新酒の仕込みを始めた矢先の地震でした。
中島酒造 中島遼太郎さん
「まさに、これからというタイミングだった」
杜氏と共に働く蔵人や家族が助かったのは、17年前の能登半島地震で大きな被害を受け、亡き父が建て直した蔵に避難できたからこそ。今の生活の拠点です。
中島酒造 中島遼太郎さん
「蔵は潰れちゃいましたけど、家族みんな、どうにかけがなく逃げられたので、それだけでも救いですね」
石川県酒造組合連合会によると、奥能登にある11の酒蔵すべてが地震により自力での酒造りができない状況に陥りました。
中島酒造 中島遼太郎さん
「奥のほうで酒がどうなっているのかも確認できないので…。もう…個人のマンパワーではどうにかなる話ではないので、『どうしよう…』という気持ちしか今はない」
そうした中、一縷の望みが…。崩れた蔵の中から見つかったのは、わずかですが、無傷の酒米でした。
中島酒造 中島遼太郎さん
「うれしかった。『あぁ、ここにあった…』という状態ですよ。本当に全部なくなったな、という中にいたので、その中で『1個でも見つかった』という…きっかけになりました」
震災から半月。中島さんたちが避難している蔵に、馴染みの住民が、残っていた日本酒を買いに訪れました。
近所の住民
「遼太郎も頑張ってるし…こういうときでしょ?寝られないときがあるんですよ。みんな頑張っているんやし。あとは気持ちでしょうね」
日本4大杜氏のひとつ、能登杜氏発祥の地・奥能登。多くの酒蔵が岐路に立たされる中、再生への道を模索します。
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