ナゾの海上都市 ナンマトル遺跡 太平洋に浮かぶ 100の人口島

ミクロネシアの世界遺産「ナンマトル遺跡」

一方、海の上に作られた都市の遺跡も世界遺産になっています。それがミクロネシアの「ナンマトル遺跡」。ポーンペイという島の南東海上に点在する100もの島が、すべて人が作ったものだったのです。

100あるナンマトルの人工島のひとつ

今ではすっかりマングローブに覆われて天然の島のように見えますが、残っている遺跡などから人工島ごとに「王の墓の島」、「医療を行う島」、「ココナッツオイルを作る島」、「料理をする島」など機能が分かれていて計画的に作られた都市だったと考えられています。

城壁で囲まれたナンマトルの人工島

番組でも撮影したのですが、サンゴ礁の浅瀬に石を積み上げて、人工の島とそれを囲う城壁や建造物が築かれていました。

六角形の石柱で作られたナンマトルの建造物

使われているのは六角形の石柱で、実は人工ではなく自然にできたもの。溶岩がゆっくりと冷え固まるときに規則正しく六角形の亀裂ができて、このような天然の石柱が生まれます。

天然の六角形の石柱を切り出したとされる石切り場

ポーンペイ島北部に、この六角柱の石切場が残っていました。しかし人工島に使われている石柱は約50万本もあり、さらに1トンを超える重さのものも多く、30キロ離れた石切場からどうやって運んだのかは未だに分かっていません。この海上都市を作った王朝は16世紀に滅びてしまい、いろいろと謎の多い遺跡です。