運送業者へのしわ寄せの上に成り立ってきたともいえる現在の物流システムと、その結果としてのなり手不足…
立教大学の首藤教授は「問題の解決には社会全体の理解が欠かせない」と指摘します。

立教大学経済学部 首藤若菜教授
「物流コストの上昇を荷主も適正に価格転嫁していって、私たちは暮らしていく中で、物流の恩恵をみんなで受けているわけですから、社会全体で負担していくということを進めないと」

こうした中、CO2排出量の削減という面からも、トラック以外の輸送方法に注目が集まっています。国内の貨物輸送を重量ベースでみるとおよそ9割をトラック輸送が担っています。現在1割に満たない船舶や鉄道の輸送ですが、トラック輸送よりも環境負荷が少ないとされていて、その利用拡大を目指す「モーダルシフト」に期待が高まっているのです。

2017年からそれに取り組んでいるのがJR東日本です。
JR東日本 新潟支社 地域共創部 和方康さん
「スピーディーで定時制の高い新幹線の列車を活用した荷物輸送」

その名も「はこビュン」です。
JR東日本管内の全ての新幹線の列車で実施しているサービスで、その日の朝採れた農作物などを乗客と一緒に新幹線で輸送。東京駅からはトラックで運び、昼すぎには都内のスーパーなどに商品を並べることができます。