人材確保に向けた取り組みの一つがM&A=企業の合併・買収です。

マルソーはこの4年間で長野県の運輸会社などを含む14社を取得。人材だけでなく輸送の中継拠点を確保したほか、多様な業種や働き方を用意することでグループ間転職による長期雇用も実現しています。

さらに渡邉社長は「2024年問題解決のためには、IT化とDX化がすごく重要」と指摘します。IT企業などもグループ化し、日報の記載など職場のDX化を進めることでドライバーが運転に集中できる環境を作り、人材獲得を目指しているのです。

一方、労働時間の短縮によりドライバーの給与が減ってしまうことも懸念されています。

小森義隆さん
「昔で言うと運転手は比較的給料がいいからって(人が)入ってきて、時間が少なくなって給料が減ったら、なおさら(ドライバーに)なろうという人は減っていくと思う」

運送業界は、大半を中小零細企業が占めていて、荷主から直接運送を請け負うよりも運送業者からの下請けを担うことが多くなっています。この構造が賃上げの大きな壁となっているケースもあるそうです。

渡邉雅之社長
「元請けとの取引が直接あるところは運賃改定もしやすいし給与にも反映しやすいが、その下、いわゆる下請け業者にとってみるとなかなか『上げてほしい』と、同業他社に対して『金額を上げてくれ』とは言いづらい」

料金やサービス面での過度な競争がドライバーの長時間労働と賃金単価の低さに繋がっているのです。