建物の倒壊で1700人以上が死亡する予測も

倒壊を左右する建物の「耐震性」。南海トラフ地震が発生した場合、岡山・香川ではエリアではどれくらいの被害が想定されるのでしょうか。

発表によると、岡山県・香川県の住宅の耐震化率はともに82%。これは全国平均を下回る数値です。建物の被害は岡山県では全壊・半壊合わせて約4万7000棟、香川県では全壊だけで約2万5000棟。

また、建物の倒壊による死者数は、このエリアで1700人以上にのぼると想定されています。ハモード准教授は、倒壊の被害から命を守るために今、できることがあるといいます。

(岡山大学・アルワシャリハモード准教授)
「まず建物がいつ造られたのか確認する。もし1981年の旧耐震基準である場合は、耐震診断をしないといけないです」

「耐震診断の結果によっては補強、もし基準より下の場合は、補強しないといけない。新耐震でも100%安全ではない。少し被害がでる可能性(ひび割れや傾くなど)もあるので、特に天井なども気を付けないといけない」

各自治体には「耐震化」補助制度も

地震による建物の倒壊。備えとしてすぐにでも出来ることは、ハモード准教授によると「診断」と「補強」です。各県ではそのための補助制度も設けられています。

まず岡山県ですが、1981年5月31日以前に着工された建物である・耐震診断を行い「倒壊する可能性がある」といった診断を受けるなど、いくつかの条件を満たした場合、「木造住宅の全体耐震改修工事」「シェルター設置」など、部分耐震改修工事の助成対象となります。

工事内容は選択することができ、市町村ごとに異なりますが、最大100万円助成される自治体もあります。

また香川県では、対象となる条件を満たしていれば、耐震診断に最大9万円まで、その後3つの改修から1つを選択し、それぞれ上限金額まで補助を受けることができます。