幹部ら7人 不起訴処分の方向

日比キャスター:
“安倍派5人衆”と呼ばれる5人を含める7人(▼元事務総長・松野博一 前官房長官、▼事務総長・高木毅 前国対委員長、▼世耕弘成 前参院幹事長、▼元事務総長・下村博文 元文科大臣、▼前事務総長・西村康稔 前経済産業大臣、▼萩生田光一 前政調会長、▼塩谷立 座長)が不起訴の方向ということになりました。東京地検特捜部は不起訴処分とする方向で詰めの捜査をしているということです。

なぜ見送りになるのでしょうか。
東京地検特捜部はこれまで複数回、任意の事情聴取を続けてきました。「会計責任者との共謀があったのか?」という部分に関して、認定する証拠が集まっていないものとみられています。

関係者によると、任意聴取に対して安倍派の複数の幹部はキックバックの処理について「会計責任者と会長がやり取りする案件」だと話したということです。この安倍派会長は安倍元総理と細田前衆院議長が務めていて、2人とも既に亡くなっています。

年末年始をかけて全国から応援の検事を集めた中で見送りとみられるということで、これは捜査が手詰まりということなのでしょうか。

若狭 弁護士:
結論からいくと、証拠が新たに集まる可能性はもうないという手詰まりと言えば手詰まりだと思います。

裏金作りは派閥の中で重要な事柄なので、会長が取り仕切ること自体は確かだと思います。ですから会長が会計責任者とやり取りしていたということは、単なる責任逃れではなく、まんざら嘘ではないと思うんですよ。

その点よりも、1つの流れとして一旦安倍派の中で派閥キックバック方式をやめようと決め、その後、会長の安倍さんが亡くなった後に復活させようという動きがあったことに特捜部は着目していたと思うんですよ。

そこがあれば、会計責任者との共謀は認められる証拠があるんじゃないかと私も思ったんですよね。というのは、復活させるときには必ず会計責任者とのやり取りがなければ流れとして出てきません。そこに着目すれば、派閥側の誰か、事務総長の誰かは起訴できるんじゃないかと思っていました。

結論的には、会計責任者との共謀を認めるやり取りが証拠としては十分でなかったというのが今回の結末になっていくんだろうと思うんです。国民の感覚とはズレているんですけど、無罪でもいいから起訴してしまえというのは検察のやり方としてはないんですよね。

ですから起訴した以上はある程度有罪を見込める可能性が高いものに限って起訴するという今までの取り扱いからすると、おそらく涙を飲んで特捜部は不起訴で致し方ないということになったんだろうと思います。

ホランキャスター:
そうすると、かなり多くの方がキックバックを受けていたとしてもお咎めなしとなるのでしょうか?

若狭 弁護士:
お咎めなしですけど、将来、検察審査会で「起訴すべき」という結論が出ると、検察の意思とは関係なく起訴されて裁判になる可能性は今の時点でもあると思います。