ハザードマップには載っていない「20cmの津波到達時間」

 実は、大阪府は2013年に、1mの津波が到達する時間とは別にもう1つの“ある想定時間”を示していた。それが「海面変動影響開始時間」だ。これは20cmの津波が来る時間で、1mの津波が来る「地震発生後最短到達時間」とは別のものとして公表されている。
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 大阪府が20cmの津波の想定時間も公表した理由とは?担当者に聞いた。

 (大阪府危機管理室防災企画課 福本圭佑主査)「海の近くにいる方に危険が及ぶということがこの20cmの津波が襲ってくることですので、そういう方のためにこの20cmの水位(想定)というのは発表しております」
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 だが、取材班が大阪府内の沿岸12自治体のハザードマップを調べると、20cmの津波の想定時間を載せている自治体は1つもなかった。大阪市住之江区は68分(1m津波:110分)、泉佐野市は31分(1m津波:81分)、阪南市は28分(1m津波:68分)など、1mの津波と比べると大幅に早いタイミングで到達する想定だ。