東日本大震災の津波で犠牲になった岩手県大槌町の職員の霊を慰める慰霊碑の建立計画が、暗礁に乗り上げています。まもなく震災発生から13年。慰霊碑建立を目指す遺族と町との間で何が起きているのでしょうか。


去年12月22日、震災当時、福祉課の職員だった娘を亡くした小笠原人志さんと、議会事務局に勤務していた夫を失った前川寿子さんが、岩手県の大槌町役場を訪れました。


大槌町では東日本大震災の津波で町長を含め職員40人が犠牲となりました。


一部の遺族は、生き残った町職員の有志と団体を立ち上げ、公務中に津波で亡くなった職員を慰霊し、教訓を後世に伝えるため慰霊碑の建設計画を立て、現在は緑地になっている旧役場庁舎の跡地の一部を無償で貸すよう町に要望していました。

要望から9か月あまりー。
この日やっと町から回答書が手渡されました。


(大槌町 平野公三 町長)
「当該跡地にご芳名を刻銘した慰霊碑を建立し、その土地の一部を無償で貸し付けることは『難しい状況』であります」


町の回答は、遺族たちの期待に大きく反する内容でした。

(職員の遺族 前川寿子さん)
「『やっと来年、再来年には慰霊碑建つな』ってみんなと話して、どんなのとかデザインとかいろんな話をすごく前向きにしてたんです。私にすればすごく納得いかない」