「よくぞ1隻でも漁に出てくれた…」

漁に出たのは「翔冠丸」のカニ漁師・尾山憲治さんです。

カニ籠漁は、ロープに連ねた数十のカゴにエサを入れて海底に沈め、カニを誘い込む漁法です。

ベニズワイガニが生息するのは富山湾の深海。水深 800メートルより深い場所にカニ籠を設置し、引き揚げるのです。尾山さんのカニ籠はどうだったのでしょうか?

翔冠丸の船主 尾山憲治さん:「絡まっていたりとかいろいろありましたけど、きょうは奇跡というか。ちゃんと最後まで揚がってくれて、一つは大丈夫だから安心しました」

カニ籠を設置したうちの1つが、奇跡的に流されずに残っていたといいます。水揚げされたベニズワイガニは約380匹。

尾山さんの漁船としては、通常の半分程度ですが、地震後初めて昼セリにベニズワイガニを出すことができました。

セリに参加する仲買人は…。

仲買人:「まず絶望的ですね、買えるかどうかもわからないんで。かなり少ないですね、でもよくぞ1隻でも出てくれたっていう感じですね」

いつもならカニが市場の床一面にずらりと並ぶ光景が圧巻ですが…。