【第3試合:東福岡(福岡)× 茗渓学園(茨城)】

 これまで幾度となく名勝負を演じてきた両チームの対戦は、今までとは違ったお互いの持ち味が発揮された好勝負に。高い個人スキルをベースに抜群の決定力を誇る東福岡と、華麗なパス回しからのハンドリングラグビーのイメージが強い茗渓学園。しかし、この日は両チームFW陣のプライドが激突する戦いとなります。

 一進一退の攻防から前半8分、東福岡がSO井上晴生選手のトライで先制すると、茗渓学園も16分、ゴール前のモールをしっかりと押し込んでHO川村航平選手がトライ。5対5の同点に追いつきます。やられたらやり返す。25分、今度は東福岡のFW陣が力を見せます。茗渓ゴールラインまで5mの地点、相手ボールのラインアウトに対してFW陣が一体となってプレッシャーをかけると、そのまま押し込んでターンオーバー。このボールにSH利守晴選手が素早く反応してインゴールに飛び込みます。ゴールも決めて12対5。東福岡は後半12分にも力強い縦突進の連続から最後はLO坪根章晃選手がタックルをはねのけてトライ。19対5と差を広げます。

 それでも茗渓学園はあきらめません。強烈なタックルを連発して東福岡の猛攻を耐え忍ぶと、22分、大型選手をそろえた東福岡に対して密集サイドを攻め続けます。最後は「ビハインドの状況の中でも、全員が同じ絵を描けていた。BKだけでなく、茗渓はFWも強いというところを見せたかった」と語った川村選手が、この日2本目のトライ。19対10まで追い上げます。しかし、反撃もここまで。
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 「きょうは60分間ファイトし続けようと話をしていた。激しい試合だったが、落ち着いて体を当て続けることができたので、負ける気はしなかった」とキャプテンの高比良恭介選手が振り返った東福岡。26分にはさらに1トライを加えて26対10。粘る茗渓学園を下して準決勝に駒を進めました。
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 大型FW擁する東福岡相手に2トライを奪った茗渓学園・川村選手は「(BKだけでなくFWも力がある)違う茗渓を見せられた。(敗れてしまったが)自分(自身)はやり切れた。花園は楽しかった」と話すと、充実した表情とともに、花園を後にしました。