写真家の篠山紀信さんが4日に救急搬送先の病院で亡くなったことがわかりました。83歳でした。
篠山紀信さんは1940年(昭和15年)に生まれ、1968年(昭和43年)からフリーカメラマンとして活躍。1978年(昭和53年)から1997年(平成9年)まで「週刊朝日」の表紙写真を担当し、その写真に登場した女子大生のなかから多くの著名人が輩出されました。

篠山さんは山口百恵さんや、ジョン・レノンさんとオノ・ヨーコさんなど、その時代を代表する人物を撮影し続け、その撮影スタイルを表す「激写」という言葉とともに一世を風靡。女優・樋口可南子さんの「water fruit」や同じく女優・宮沢りえさんの「Santa Fe」などの写真集でも大いに注目を集めました。

また、歌舞伎の「成田屋」の公式カメラマンとして数多くの歌舞伎写真を手がけ、1982年には全8巻の「篠山紀信・シルクロード」を刊行するなど、世界を股にかけて活躍を重ねていました。
さらに「家」(1976年 / 昭和51年 ベネチア・ビエンナーレ日本パビリオン)「TOKYO未来世紀展」(1992年 / 平成4年 三越美術館)などの個展や展覧会を開催。近年でも「山口百恵と1970年代」(2010)「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」(2012~2019)「KISHIN meets ART」(彫刻の森美術館、2016) 「新・晴れた日 篠山紀信」(東京都写真美術館、2021)など、精力的に展覧会を続けていました。
そして1980年(昭和55年)に「激写・135人の女ともだち」で第21回毎日芸術賞、1998年(平成10年)に「少女たちのオキナワ」で国際写真フェスティバル金の眼賞など、その卓越した写真術で多くの賞を獲得していました。
篠山さんの「芸術・娯楽・ジャーナリズム」を写真で越境するあり方は、今も多くの愛好家を魅了し続けています。
【担当:芸能情報ステーション】