能登半島を震源とする地震は2日も輪島市で震度5強を観測するなど相次いで発生し、避難生活を送る住民は不安の耐えない生活を送っています。
一方、被災地にはボランティアや災害救助犬が入り活動を始めましたが、支援物資や救助活動はまだまだ追いつかない状況です。
牛田和希キャスター「ドンという音とともにかなり今大きな揺れを感じました。…とりあえず逃げよう」
2日午前10時54分ごろ、能登地方を再び襲った大きな横揺れ。
倒壊したビルで捜索を行っていた救助隊も、急いで建物から離れます。

JNN取材団・森本 琴衣記者「大きく揺れています。輪島市、大きく揺れました」
救助隊員「危ない!」「1回建物から離れて!」

この地震では輪島市で震度5強を観測。1日に震度7を観測してから、能登半島周辺を震源とした震度1以上の地震は300回を超えています。(午後3時時点)
輪島市市ノ瀬町の集落では1日、大規模な土砂崩れが発生。勢いよく流れる土砂に多くの民家がのまれていきます。

JNN取材団・山崎 匠記者「津波と地震の影響で電柱は傾き、ほとんどの家屋が倒壊しています」

道路に散らばるのは津波で流されたとみられる車や家具の残骸。珠洲市の街なかでは、揺れによる家屋の倒壊に加え、津波による被害の跡も確認されました。
JNN取材団・山崎 匠記者「海岸近くの雪の塊なのですが、雪がくっきり分かれ、この高さまで津波が来ていたことがわかります」

珠洲市の住民「地震より津波の方が怖くて着の身着のまま逃げました。何も持たず携帯だけ持って」
「水が流れてきた、ここまできた。『たすけて~!』って言ったら向こうのほうから自動車が来て助けてくれた」

津波の被害が甚大だった珠洲市宝立町。海側を中心に多くの家屋が倒壊し、複数台の車が重なるように流れ着いています。

こちらの女性の夫は現在も倒壊した家屋の中に取り残された状態ということです。2日に救助を要請しましたが機械が必要と判断され断念、3日になってやっと救助作業が始まりました。

女性「夫はまだ建物の下にいます。『座敷見てくる』って言って行ったのが最後。きのうきていただいたけど人力じゃ無理やと言われて1時間ほどして帰られて。もちろん早く会いたいです」
珠洲市の泉谷市長は2日午前、「消防に入っている救助の要請や通報など72件に対応できていない」と発表しました。
こうした中、珠洲市に到着したのは…

JNN取材団・長澤 清導記者「倒壊した家では警察などと連携して災害救助犬も創作活動にあたっています。」
珠洲市内には全国各地から災害救助犬25頭以上が到着。倒壊家屋のある地区をまわり中に人がいないかなどを確認しています。
JNN取材団・平木場 大器記者「珠洲市のガソリンスタンド前です。給油を求め長い車の列ができていてあちらの道路の先まで続いています」

各地でガソリンや水、食料が足りない状況が続いています。
避難した男性「きのうの朝に1回だけおにぎりひとつもらった。あとは昼も夜も何もなくて今朝は何もない。避難所としては限界だと思う」
珠洲市の老人ホーム長寿園。施設の入居者100人とデイサービスで帰れなかった30人に加え、地域住民が避難していますが、それだけの人数をまかなう支援物資が足りない状況だといいます。

職員の女性「避難されている方は1日1食とか。わたしたちもあげたいが利用者の備蓄しかないので…それを分けて提供している状況。今いる職員も地震から帰れていない。ずっと24時間働いている。そろそろ疲労が来ているのかなと…一致団結してやってる状態」
珠洲市の小学校に設置された避難所。2日午前から個人の判断で一時的な帰宅ができるようになりましたが、住民の不安は拭いきれません。
避難した住民「水がほしい。カセットボンベで煮ようと思っても水がない。お茶が飲めない。」
「ひとつの世帯でちょっとずつ、ひとつのパンを分けたり。食料が全然追いついていない」
「いつ頃になったら電気が来ます、いつ頃になったら水道が来ますという情報がないから。新聞もなし。不安でどうもならん。いつまで続くやらと思って」
こうした中、避難所には愛知県からのボランティアが到着しました。水や食料、カイロなどの支援物資が入った段ボールを次々と運び込みます。

ボランティア「レトルト食品とか日常生活に必要な赤ちゃんに必要な離乳食とか(を持ってきた)。こんなにひどいと思ってなかったですね」
ボランティア「きょうの夕方とあすの朝にも来ます」
住民「ありがとうございます。よう来てくれたね…」
まだまだ被災地に追いつかない、救助活動と支援物資。地震発生から丸2日。
多く地域でライフラインがままならない中、住民が不安な夜を迎えます。