レジェンド・イチローさんとの出会い
大仲さん
「智弁和歌山で過ごしてきた中で、イチローさんが来てくれたことが一番うれしかったですね」
2020年2月、大仲らのいる智弁和歌山を訪れたのは、世界のイチロー。3日間みっちり指導を受けた。
大仲さん
「ほかの人が持ってないようなオーラを持ってました」
レジェンドのことばや考え方の一つ一つが大仲に突き刺ささる。
大仲さん
「ツーストライクからの意識ってどうされてますかと聞いて、三振も内野ゴロも結果としてアウトは同じだから、いつも通りというかそんなに何かを変える必要はないんじゃないかという風に教わりました」
「最後、イチローさんが僕たちに『ちゃんとやってよ、ずっとみてるから』って言って下さって。頑張ってるかって聞かれた時に自信もって頑張ってるって答えられるかを大事にしてて」
イチローさんからもらった「ちゃんとやってよ」の言葉をプリントしたTシャツは、大仲さんの宝物だ。

イチロー効果もあってか、智弁和歌山は翌年夏の甲子園で優勝。メンバーのほとんどは社会人や関東、関西の強豪大学で野球を続けることを決めた。大仲にも強豪大学からオファーが届いたが、決心が揺らぐことはなかった。
「楽な道」より「しんどい道」
大仲さん
「まったく注目されていない大学から全国に出て、試合に勝つっていうのが、やっぱりものすごく僕はかっこいいことだなって。イチローさんのことばを借りるんですけど、『楽な道かしんどい道、どっちか2つがあらわれた時にしんどい道を選ぶ人でありなさい』と言ってもらって、ここに来ることが自分は正しいなって感じたので、ここに行きたいですって言いました」
2年生ながらチームでも存在感

大仲の存在は、チームにも大きな刺激を与えている。練習前のランニング、先頭で声を出すのは2年生の大仲だ。
大仲さん
「一応智弁和歌山のかけ声ではあります。ことしまで声は出してなかったですけど、声かけ入れようってことで」

中村光宏・周南公立大学野球部監督
「下級生なんですけど、発言もチーム内でしてくれたり、ガッツあるプレーで、チームからの信頼もあるのでそういう意味で影響力がすごくあるかなと思ってます」
2年生になった今シーズンは2018年から遠ざかる全国大会出場に向け、3番打者として春季リーグ開幕を迎えた。順風満帆に見える野球生活。それでも・・・
大仲さん
「僕は今は今というか、過去は過去で、過去の栄光に浸っている時ほど自分が前向いてない時だと思うんで、過去はあまり振り返らないようにしています」
常に今を、未来を向いて
甲子園での優勝も、活躍も、過去の栄光に過ぎない。そう語る大仲の目は常に今を、未来を向いていた。

大仲さん
「自分の選択は間違ってないなと思っています。このチームで全国に出て、みんながここに入ってよかったなって思えるようなチームにしたいです」














