総裁選勝利の一因にもなった“岸田派”の存在

“超低空支持率”にあえぐ岸田総理だが、何とか政権を維持している一つの理由は、自分の出身派閥である岸田派=宏池会の存在があると言える。

難航した官房長官の人事も最後は身内である岸田派幹部だった林芳正議員の起用で収まった。

林芳正官房長官

政治資金パーティの問題で今月(12月)、岸田派会長を辞め派閥を抜けた岸田総理だが、総理になっても2年以上、会長を続けるほどこだわりがあった。

前回の総裁選挙で河野太郎氏、高市早苗氏、野田聖子氏と戦い勝利した岸田総理だが、勝因の一つは岸田派という基盤があったことだ。

高市氏は無派閥で安倍元総理の支援があったものの、安倍派は高市氏支持でまとまったわけではなかった。

また河野氏が所属する麻生派も“岸田支持”と“河野支持”に二分された。もともと無派閥の野田氏は20人の推薦人集めにも苦労した。

こうした中で岸田派だけが一致結束して岸田支持でまとまり足固めができたことで、他の候補よりも総裁選を優位に進めることができた。

総裁選に勝利したとき、岸田総理は“派閥の恩恵”を実感したのではないか。

岸田派中堅:
「総裁選の頃はテンション上がって一体感がすごかったな」

岸田総理側近の1人が述懐するように、当時の岸田派は“自分たちが頑張れば我が派から総理が誕生する”という期待感があったから一致結束したのであろう。