一筋縄ではいかない“派閥からの退会”

派閥は結束の強さを重んじる故に議員が派閥を退会する際に揉めることが頻繁に生じている。

記憶に新しいところでは、自見英子万博担当大臣の二階派離脱問題がある。
19日に二階派事務所に検察が強制捜査に入ったことを受け、二階派所属の閣僚である小泉法務大臣と自見大臣の対応が注目された。

小泉法務大臣 二階派退会の会見
記者団の問いかけに答えない自見大臣

小泉大臣は強制捜査の翌日に二階派退会を表明し、受理されたが、自見大臣は対応が遅れ22日に派閥離脱を表明した。

会見で自見大臣は“派閥幹部と相談を重ねた上で退会届を提出した”と強調したが、その日の午後、二階派は武田良太事務総長の名前で「自見大臣の派閥退会届は受理しておりません。派閥幹部への相談もありません」と異例のコメントを発表した。

自見大臣の退会届提出について不快感を示した。

二階元幹事長

二階派関係者によれば、小泉大臣は検察行政を司る法務大臣という立場であり、あらかじめ派閥会長の二階俊博元幹事長らと相談するなどの“根回し”を怠らなかったが、自見大臣は二階氏らに直接、派閥を抜けることは伝えていなかったということで二階氏ら幹部の怒りを買い、自見大臣の退会届は宙ぶらりんの状態が続いている。

派閥が所属する議員の数にこだわっているのが良くわかる。

“派閥政治”などと長年にわたり批判を受け続けているにも関わらず派閥が存在する理由は、総裁選等において“数の力”が必要となるからだろう。