2024年元日、「真の駅伝日本一」をかけ争われるニューイヤー駅伝。戦いの舞台は群馬県でコースは全7区間100㎞。日本トップクラスのランナーたちが集結し、チームの誇りを胸にプライドがぶつかり合う。

今回のニューイヤー駅伝は、同じ日本のお正月を彩る「箱根駅伝」で名を馳せたルーキーが多くエントリー。3連覇を狙うHondaは、箱根駅伝の2区、3区、4区の区間記録保持者であり“史上最強の留学生”と呼ばれたイェゴン・ヴィンセント(23・東京国際大学卒)を登録。さらに、駅伝の強豪青山学院大学で2大エースだった岸本大紀(23・GMOインターネットグループ)、近藤幸太郎(22・SGホールディングス)らが名を連ねた。

その中でも注目なのが、トヨタ自動車のスーパールーキー・田澤廉(23)だ。駒澤大学時代は絶対的エースとして活躍。2年時に箱根駅伝総合優勝を果たすと、4年時には史上5校目となる学生駅伝3冠(出雲駅伝・全日本大学駅伝・箱根駅伝)を成し遂げた。
個人でも、10000mで2年連続世界陸上出場(22年オレゴン大会20位、23年ブダペスト大会15位)、アジア選手権優勝など世界の強豪と渡り合う、日本のエースだ。「このため(世界と戦う)に頑張っているので、しっかりここで結果を出せる人間にならないといけないなと思った」とレース直後にも関わらず常に前を見据え、ストイックに競技と向き合っている。

甘いもの大好きなスイーツ男子

陸上競技にはストイックな田澤だが、実は甘いものが大好きなスイーツ男子。
オフの日はスイーツ巡りが定番で、SNSで気になったスイーツを友達と食べに行くという。特に大好きな抹茶には目がなく、取材日に訪れた抹茶専門店では抹茶のチーズケーキ、ほうじ茶テリーヌ、抹茶クロワッサン、抹茶ラテ、抹茶ピーチティーの全5品を完食した。
「こういう時間は、自分にとっても非常にリラックスできるし、次また陸上頑張ろうと思います」と田澤。このスイーツタイムが田澤の強さに繋がっているのだろう。

目指すは優勝

トヨタ自動車は過去3度の優勝(11年、15年、16年)を誇るも、近年はあと一歩で優勝を逃している。チームには東京五輪マラソン代表の服部勇馬(30)、10000m日本歴代2位の太田智樹(26)、世界陸上オレゴン大会でマラソン代表の西山雄介(29)など実力者がそろう。ここに田澤が加わった強力布陣で、8年ぶりの王座奪還を狙う準備は整った。

キャプテンの服部は「世界を目指せる選手がチームに入ってくると、チームメイトも世界を意識できる存在として大きい」と田澤の存在に刺激を受けている。「与えられた区間を区間賞で走ることとチームはもちろん優勝だと思うので、それに貢献する走りがしたいと思っています」と田澤。「普段応援してくれているトヨタ自動車の社員の皆様に感謝を伝えられる場にしたい」と意気込んだ。

学生駅伝を完全制覇した田澤が元日、どんな走りを見せるか期待がかかる。