地元の人が一番大好きなクラブになるためには

工夫を凝らした話題づくりに加え、2016年からは大手広告代理店とも契約を結び、前年は6試合だった地上波での放送を20試合まで拡大。プロモーションの効果もあり、コロナ禍前までは、入場者数は右肩上がり。クラブの売り上げの中でも大きな割合を占める入場料収入のアップにつながった。

五郎丸
Jリーグは(インターネット有料配信の)DAZN(ダゾーン)と長期契約して、地上波にあまり出てこない状況になったじゃないですか。これから、Jリーグ離れが進む一方、コアファンはDAZNでずっと追うことはできるんですが、裾野を広げるといった意味では、課題感が残るんじゃないかと思います。どういう戦略をお持ちですか。

野々村
すごい良いとこ、聞いてきたな。おっしゃる通りだと思います。もちろん有料放送は重要だし、世界の流れはそうです。でも日本、特に地方においては、まだまだローカルの地上波で、地域のクラブを出していくことは絶対必要だと思います。

裾野を広げる観点でもクラブを成長させる時の仲間として、その地域にあるローカルの放送局が絶対仲間になるはずなので、できる限りそういう方向に変えていきたい。

ひと昔前は、日本国内において「全国の皆さんにファンになってもらう」のが一番、みたいな空気感だった。でも今、Jリーグは地域でスターになればいいと思っているんです。だから、コンサドーレ札幌は、北海道の人たちが一番大好きなクラブになるためには何をするか。やっぱり、地域のメディアの皆さんとやっていくことが大事なんだと思いますよ。

新城
チーム名に『北海道』という文言を付け加えた理由は。