コンサドーレが、北海道のためにできること
野々村いくつかあります。北海道内を回っていろんな地域の人と話をする中で時々、「あれ、札幌のチームでしょ?」って言われることもあったんです。
僕らは北海道を代表するチームだと思っていたけど、世間では、そう見られてない。なら『北海道』ってつけちゃおうかと。あとは、将来的に大きなクラブになり、アジアや世界に向けて出ていく時に『札幌』より、『北海道』の方が伝わりやすいんです。
世界進出も視野にクラブ改革を進めた野々村さん。その中で大きな話題となったのが「ベトナムの英雄」と呼ばれた東南アジア初のJリーガー、レ・コン・ビン選手や、「タイのメッシ」ことチャナティップ選手ら、アジアのスター選手の獲得だった。

野々村
最終的に数十億の売り上げを目指す時に、北海道だけとか日本だけで、ビジネスをしててもしょうがない。だったら、まだ他のクラブが進出していないところに、早めに仕掛けた方がいいと思ったんですね。
プラス地域のためになるのが一番、クラブにとって大事。そうしたときに、(海外から)観光客として北海道に来てくれたりするんですよ。これってコンサドーレが北海道のためにできることの一つですよね。強いか弱いかよりも、そっちの方が重要だったりもします。そういう循環をつくっていくと、きっと人もお金も集まってきやすくなるのではと、早めに選手を獲得したところがありますね。
東南アジアからのスター選手の活躍は、当時の首脳会談でも話題に挙げられ、クラブホームページへのアクセスが急増。ベトナムで展開する日本企業がグループ企業の看板を掲載し、スタジアムの広告にも変化が生まれた。さらに、ベトナム国内では、試合が生中継で放送されるなど、新たなマーケットの獲得に成功。北海道にも多くの観光客が訪れるようになり、地域全体にも大きな経済効果をもたらしたのだ。
五郎丸
(海外への新たな挑戦は)ラグビー界としてもやっぱりやっていかなくちゃいけない。ラグビーは年間通じて40試合もできないんです。試合数が少ないのが一番ネック。そう考えるとアジアというマーケットにはどんどん進出していかなくちゃいけない。逆に、有名なチームを日本に興行権を持って呼んで稼ぐなど、海外の力を借りたり、新たな世界をつくっていくのは、一つの手かなと思います。