居場所感があると「自分は大丈夫」に 転職後は「あまり焦らないで」

──なるほど、居場所感の上下はネガティブに受け入れる必要はないんですね。

「さらに、調査結果で一つ特徴的だったのが、会社以外の居場所を感じられる場所を探索する、というものがありました。家庭でもいいですし、会社でも家庭でもない場所を『第3の居場所』として探す人も結構多かったです。そこで居場所があると感じることができれば、翻って、会社での居場所感も持ち直していくことがあります。

第3の居場所がある人とない人に対してアンケート調査をしたことがあります。はっきりと因果関係は分からないのですが、第3の居場所がある人の方が、仕事の満足度が圧倒的に高く、会社での居場所感も高いという結果になりました。

居場所感があると、自分を必要としてくれる場所があるということで自己肯定感が高まり、会社に戻っても、『自分は駄目じゃない、大丈夫』という感覚につながっていきます

──私のように転職したばかりの人はどう居場所を見つければいいですか?

「転職した人の場合、誰も自分に仕事を教えてくれない、自分がどんな役割なのか明確にしてくれないといった『人的支援』がない環境だと、何をするのが正しいのか分からなくなり、『このままここで働いていいのかな』という迷いや悩みが出ると思います。ですから、人に支援を求めることも大切です。

転職者に関して言えば、『組織社会化』という概念があります。組織に馴染んでいく過程のことを指すのですが、転職したばかりの時は『もう駄目だ』と決断を急がず、まだ馴染むための過程にいるんだと考えることも大切です。だから私は『あまり焦らないで』と思います

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取材:TBSテレビ デジタル編集部・影山遼

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影山遼
TBSテレビ デジタル編集部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®。元すみっコぐらし学園認定記者。名前の通り、暗いです。

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