「岸田さんは自分で潰れていくんじゃないか」という見方も
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
まず今、予算を作っていまして、これから提出をして、1月下旬から通常国会が150日のスケジュールで始まるんですが、その間、1月から4月までっていうのは日本の場合、これがベストだっていう予算を出していますので、政府与党側には反撃の手段がないんですね。ずっと野党から攻撃されるだけっていう一番つらい時期なんですね。そこを岸田さんの今の体力で乗り切れるかっていうのが一つありますよね。
それから、確かに“岸田おろし”というのは今具体的には出てこないんですが、おそらく「岸田さんは自分で潰れていくんじゃないか」っていうような見方があります。ですから、自民党の中でも今、様子を見ているということですし、やっぱり一番大きいのは、4月の補欠選挙。この前亡くなった細田さんの欠員もありますが、今回、この大騒ぎでおそらく何人か事情聴取、逮捕、それから公民権停止ということになりますので、議席がなくなる選挙が大量に出てきます。もしかしたら10か所ぐらい出てくる可能性もあるので、10か所の補欠選挙で自民党が全部負けるということになったら、これはもう大変なことですから、補欠選挙が近づくにつれて、岸田さんで補欠選挙を戦えるのかということになります。
私は3月ぐらいが限度、もしかしたらその前にも岸田さんはこれはもう立ち行かないということでギブアップする可能性が高いんじゃないかと思って見ているんですけどね。
ホランキャスター:
長くてもあと数か月という感じが今の話でありましたけれども、若新さんはこの一連の問題をどのようにご覧になってるでしょうか?
慶応大学特任准教授 若新雄純さん:
過去に日本があまり経験しなかった残念な状態だと思っていて、超超低空飛行で政権が続いてるわけですが、超低空飛行なんで、通常だったら与野党どっちも引きずり降ろそうとするわけですね。つまり、自民党内にもポスト岸田政権というものが普通だったらもう準備されてて、「よし、俺らに代われよ」「もうお前はダメだ」って言って引きずり降ろして。あるいは、野党が「もう政権交代だ」と、「こんな自民党ダメだ」って言って戦いを仕掛けるわけですけど、残念なことに、ここまで超低空飛行にも関わらず、今日本は与野党どっちにも「俺が代わりにやれるぞ」って名乗りを上げれるようなものが準備されてなかったってことだと思うんですよ。
特に野党なんかは、千載一遇のチャンスが始まったにもかかわらずここで攻めないっていうことは、代わりに打席に立てる自信がないということなのか、ここまで準備しておけてなかったってことだと思うんですよね。
本当はもっと抜本的な人事をするなりして、あとはもう組織を改革するとか新しくするっていう準備をしとけばよかったんでしょうけど、そこまでのスピード感を持てなかった。
もう一つは、これは僕の見立てですけど、結局「すぐ代わって」って言われても誰も変われないから、もうちょいこの超低空飛行を続けてもらって、その間に与野党どっちも次の体制を準備しようと思ってると思うので、ここで落ちても困るから、むしろ最悪な政権をみんなでギリギリのところで落ちないように支えてて、国民が割り食ってるみたいな状態なのかなと思うんですけど、その辺は星さんいかがでしょうか?
星さん:
まず、今の若新さんが言われた後半の方だと、政策が全く進まないから国民からしたら、もういい迷惑ですよね。
それから、前半の方で非常に大事なポイントだったのは、“経験したことのない事態”っていうのは、その通りなんですね。
ですから、これは我々は今までの経験値で語っていますけど、経験したことのないことが起きる可能性があります。つまり、もう最大派閥がこれだけ傷んでるわけですし、岸田政権の屋台骨が腐ってるということになったわけですから、もう自民党は政権をギブアップすると。そして、もう「野党第1党に返上します」という、これはある意味で牽制の常道なんですけど、その間、野党第1党ないしその周りの人たちでとりあえず緊急政権を作って、大事な政策だけ処理して、一気に解散総選挙で本格的に信を問うというのが本当は一番望ましい良い展開だと私は思いますね。
若新さん:
今、打席変わっても、物価高とか世界で紛争・戦争起きたりとか、様々な問題があって、解決していかなきゃいけないテーマも難易度がものすごい高いから、積極的に名乗り上げられないわけじゃないすか。
星さん:
ただ逆に言うと、難易度が高い問題だから、民意を吸収した政権でないとできませんよね。
若新さん:
自分たちが作りたかった国というよりは、みんなが本当にどうしたいか、一体にならないといけないわけだけど。
星さん:
民意を問い直してから新しい体制で新しい政策を遂行するっていうのが本当は一番望ましいと思いますね。
ホランキャスター:
確かに民意を吸い上げるという意味では、国民の声が届いてないような感じがありますもんね。