日本相撲協会は18日、元関脇寺尾の錣山親方(本名:福薗好文さん)が17日午後8時27分、うっ血性心不全のため、都内の病院で死去したことを発表した。60歳だった。

錣山親方は、2人の兄(元十両・鶴嶺山、元関脇・逆鉾)に続き、父の井筒親方(元関脇鶴ヶ嶺)が師匠を務める井筒部屋に入門し、79年初土俵を踏んだ。84年名古屋場所で新十両、85年春場所には新入幕、89年春場所では逆鉾と兄弟同時関脇にもなった。

116キロと細身の体ながら闘志あふれる突っ張りと端正な顔立ちで、多くのファンを魅了。02年に現役引退後は、年寄「錣山」を襲名。親方として、元小結・豊真将(現、立田川親方)や22年九州場所で優勝した小結・阿炎らを育てた。

通夜は22日午後6時から、告別式は23日午前10時からいずれも錣山部屋(東京都江東区清澄3-6-2)で執り行われる。喪主は妻の伊津美(いつみ)さん。

訃報を受け、同い年で「花のサンパチ組」として互いに切磋琢磨してきた八角理事長は「ただただ驚いております」とコメントを発表した。以下コメント全文。

【八角理事長コメント】

「突然の訃報に接し、ただただ驚いております。『花のサンパチ組』として出世を競い合ってきました。回転の良い突っ張りからの真っ向勝負で、何度か苦杯をなめたこともありました。現役を長く務められ、師匠としても、関脇阿炎、小結豊真将など多くの力士を育て、相撲道の継承と発展に尽力されました。まだ60歳と若く、阿炎をはじめとする部屋の力士の成長を見届けたかったかと存じます。生前の功績を偲び、謹んで御冥福をお祈り申し上げます。」

■福薗好文さん(錣山親方)
1963年2月2日、東京都墨田区生まれ。現役生活23年間で通算860勝938敗58休。幕内在位、93場所。三役在位は13場所。三賞は敢闘賞3回、殊勲賞3回、技能賞1回を獲得した。