ゲームの文化を次の世代につなぎたい…。
懐かしのゲームを保存し、未来に伝えていこうと活動する男性が札幌市で奮闘しています。
今月10日。札幌市のイベントに多くの人が詰めかけました。
そのお目当ては…高橋利幸さん(64)。
ファミコンの16連射などで子どもたちの人気を集めた、あの「高橋名人」です。
このイベントは高橋名人も勤務していたゲーム会社で、かつて札幌市にあった「ハドソン」の創立50年を記念して開かれたものです。
イベントを主催をした山本耕平さん。熱い思いを秘めていました。
山本耕平さん(47)
「(ゲームは)文化であり、芸術であるという考えのもとに、主に北海道のゲームを保管して未来に残していこうと設立」
寺農織苑(てらのう・しおん)さん(30)
「まだモノが残っているうちから保存活動をしていって未来につなげていく」
山本さんは、ゲームを通じて出会った寺農織苑さんとともに、今年10月、ゲーム文化の継承活動を行う「北海道ゲームアーカイブ協会」を設立しました。
誕生からおよそ50年がたったビデオゲーム。
その市場規模は、世界で26兆円、日本でも2兆円という一大産業に成長し、日本のゲームは世界的に誇る文化に発展しました。
そこに寄与したのは実は北海道でした。
山本耕平さん
「(北海道には)古くからハドソンやデービーソフトといった、一世をふうびした会社があり、おもしろい歴史が深くある」
1980年代初め、北海道にはハドソンを筆頭にソフトウェア業界を代表する会社が多くあり、2000年ごろにはシリコンバレーになぞらえて「サッポロバレー」と称されるほどだったのです。
ゲーム業界の成長とともに、世界ではゲームの歴史や文化をアーカイブ=保存する動きが高まっているといいます。
山本耕平さん
「世界的にはアメリカ・フランスを中心に国力となるべく、集めて観光地になるような取り組みをしている」
一方、日本ではその動きが鈍く、山本さんたちは、「文化」を未来につなごうと考えました。
山本耕平さん
「私達が収集していきたいのはゲームだけじゃなくて、ゲームの資料全て。展示するにもイベントをするにも、モノと資料とデータがないとできないので、アーカイブを中心にやっていきたい」
ゲーム業界を引っ張ってきた北海道。
今度はその文化を残し、伝えるフロンティアになることが期待されています。