大阪・岸和田市出身で世界的に活躍するファッションデザイナー、コシノジュンコさんの過去最大規模の展覧会「コシノジュンコ 原点から現点」が、あべのハルカス美術館(大阪・阿倍野区)で開催中だ。自身が「集大成」とも語る本展では、高校時代から最近までの衣装やデザイン画、映像など約 200 点が一堂に会し、まさにコシノさんの「原点」から「現点」をたどることができる。
天王寺は、コシノさんが高校生の頃、市立美術館に足しげく通った場所だ。開幕前日に会場を訪れたコシノさんは、「この場所が原点だったと、ここに立って分かった」と喜びをかみしめた。会場入口には、「今はここまで描けない」と本人が語る高校時代のデッサンと油彩画が並ぶ。実家は洋装店を営む一方で、自身はファッションよりも美術に興味があり、美大に進学するつもりだった。「デッサンはすべての基本」、「原点はここにある」と、コシノさんは言葉を続けた。