第2位「ウクライナの世界遺産が危機遺産入り」

世界遺産的大ニュースの第2位は、「ウクライナの世界遺産が危機遺産入り」。今年の世界遺産委員会の大きなテーマのひとつが、ロシアによるウクライナ侵攻。この戦争から、どうやって世界遺産を守っていくのか、ということでした。

すでに今年1月に行われた世界遺産委員会臨時会議で、ウクライナの黒海に面した街・オデーサが世界遺産(登録名称は「オデーサ歴史地区」)に緊急登録され、同時に危機遺産に指定されました。 危機遺産に指定しても物理的な攻撃を防ぐことは出来ないのですが、国際社会の意思を示し、ロシアに圧力をかけることで文化遺産の破壊を阻止しようという試みです。

さらにリヤドでの世界遺産委員会では、以前から世界遺産になっていたウクライナの2つの文化遺産が危機遺産に指定されました。「首都キーウの聖ソフィア大聖堂とペチェールシク大修道院と関連する修道院群」、そして「リヴィウ歴史地区」です。
これでウクライナには3つの危機遺産があり、国際社会がその保全を支援しやすい体制が出来たことになります。