■消防のプロも絶賛!「自分たちだけで助けようとしなくてよかった」

用水路から引上げられましたが、男の子の意識はなかったといいます。

中学生 四十木優大さん:
「その子は意識がなくて、唇が青くて、動かない状態。そして人工呼吸をして息が戻って」

助けを求める中学生の声を聞き、かけつけた別の男性がしばらく人工呼吸をすると、男の子は息を吹き返しました。その後、救急車で病院に搬送され、一命を取りとめたといいます。



富山消防署 清本 一成さん:
「よかったと思うのは、自分たち4人だけで助けようと思わなかったことです。間一髪だったと思います。水門まで流されると急に流れが速くなって、数十秒で水門の先に行ってしまうので、そうなると救命できたかどうか、わからなくなるところです」


■富山県の用水路転落事故は“全国最悪レベル”

県内は、農業用の用水路が広く張り巡らされていて、昨年度は用水路に落ちて亡くなった人は22人と全国最悪レベル。転落防止策の設置もなかなか進みません。

次の日の知事の定例会見で、この問題を質問してみると…

新田知事:
「ハード面、ソフト面での手当てが終わるまでは、時間がかかります。様々な注意喚起をして、今回のような危険につながるケースをなるべく減らしていかなくてはならないです」



男の子の命を救った中学生たちは、今回の事故をどう考えたのでしょうか?

富山北部中学校1年 齋藤 奏太さん:
「小さい子がおぼれていたので、すごく怖かったです。早く助けないとと思いました」

辺城 雄琉さん:
「しっかり息も取り戻していたので安心しました」

正角 凌千さん:
「やっぱり怖いなと思いました」

四十木 優大さん:
「とてもホッとしたし、安心したっていう気持ちがとてもありました。一人でも用水で死ぬ人が減ってくれればいいなとの思いで体が勝手に動いてよかったなと思いました」