12社の宮司を兼務!地域の神社を守るため奔走

神社本庁に所属している神社は、全国に約8万社。しかし宮司はおよそ1万1000人しかいないとされ、宮司が全く足りていないのが実情です。
(國學院大學 宗教学を研究・石井研士教授)
「平均して1人7~8社くらい兼務している計算。いくつまで兼務できるかは、神職の年齢などの問題もあるので、なかなか厳しいところにさしかかってきている」
田原市に至っては約80社ある全ての神社に常駐の宮司がおらず、大森さんが今では12社の宮司を掛け持ちしている状況です。
(神社の奉賛会長)
「(兼務していて)すごいと思うけど、体の調子を崩されたらと思うと心配。代わる人がいないから…」
この日だけで八柱神社、猿田彦神社など4つの神社で大祭を執り行う大森さん。
3社目の進雄社では神事が終わると、境内で古くから伝わる「餅投げ」が始まりましたが、大森さんの姿はすでにありません。
(大森愛子さん)
「(Q.餅投げの開始は待たない?)餅投げが午後3時からなので、待っていると(次の)神事が始まってしまう」
車で向かった先は、約10kmの先の岩崎神社。ここで再び祝詞を上げます。
ようやくこの日の神事は全て終わりましたが、夜には地元の子どもたちに、お祭りで披露される舞を指導。
神事に欠かせない巫女を育てるためでもあり、ここで巫女の経験が生かされます。この日の予定が全て終わったのは午後9時でした。
(大森愛子さん)
「午前中も2社で、午後も2社だけなので数的にはそんなにハードではない」
全ては地域のよりどころとなってきた氏神様を守るための活動です。