「応援してもらいたかったら持って来いよ」


(豊田さん)「私も言われました。地元の有力者の人に初めて挨拶行ったときに、
『応援してもらいたかったらさ…持って来いよ』って言われるんですよ。私はその世界に初めて入ったからびっくりするわけですよ。だけど、その方たちは数十年それでやってきているので、逆にそれが当たり前で。それはお断りしました」

ーーどういう立場の人なんですか?

(豊田さん)「詳しくは言えませんけど、地方議員さんや首長さんとか。党本部ってすごく偉いイメージがあると思うんですけど、違うんですよ。一番権力的にドロドロしているのは地元のおっちゃん達ですよ。それで何が言いたいかっていうと、国会議員って、偉いと思っているのは幻想で、偉い人はいっぱいいますけど、新人とか若手とか公募で選ばれた人は地元のヒエラルキーの中では最下層なんですよ。だから無茶苦茶いじめられるし、金持ってこいって言われるし、土下座しながら
何とか認めてもらいましょうってやってるから、もう一番立場が弱いんです。『金も持ってこないお前を応援するメリットが俺達に何があるんだ、馬鹿野郎』って言われて、私の場合、階段から突き落とされて骨折とかもしてるわけです。そこで屈服してお金払う方がたぶん平和なんです。お金を配るっていうのは誤解があって、こっちが『応援してくださいよ』ということでお金を渡してやっていると思うかもしれないですけど、多分ケースによっては脅されて持って来いよって言われて、持ってくることもあります」

ーー2つ目の「完全な私的流用」とはどういうことでしょうか?

(武田さん)「完全な私的流用というのは、例えば、一番ひどいのは家を買うときに使っちゃったとか。私なんかがたまに聞くのは、ホステスがいるクラブとかに行くお金、あるいはキャバクラ。交際費に使っている。それは書けばいいんです、本当は。でも収支報告書に書けないじゃないですか。昔は収支報告書に書いてあるお店をよく調べたら、SMクラブだったとかそういうのがあるわけです。そういうのはわかったときにみんなに批判されるからもう書けないと。でも、やっぱりどうしても議員の中だとそういうところに行きたい人が出てくるから、そういう人は裏金で行っているんじゃないですかとなるわけですね」