◆飼うのが難しいウサギがなぜ学校飼育の「定番」に?

ウサギがなぜ学校で飼育される動物の“定番”になったのかは諸説ある。保護団体の藤田さんは、給食の残飯を与えれば餌代が少なくてすむという“誤解”や、犬やネコよりも飼いやすいという“イメージ”も影響していると考えている。

飼いやすくはないはずだが…多くの学校で飼われるウサギ

一方、小学校の学習指導要領(解説)には「どのような動物を飼うべき」という指針はない。動物の選定は「各学校が地域の実態に応じて」(1989年)→「各学校が地域や児童の実態に応じて、児童の身近にあり、継続的に世話をすることができるもの」(1999年)→「各学校が地域や児童の実態に応じて適切なものを取り上げる」(2008年~)と多少の変遷はあるものの、具体的な動物名は挙げられていない。

ただ、文部科学省の委嘱研究「学校における望ましい動物飼育のあり方」(日本初等理科教育研究会)には、ウサギ、モルモット、ハムスター、ニワトリ・チャボの飼い方がイラスト付きで説明されており、これらが「定番」化していることをうかがわせる。福岡県教育委員会の担当者は、はっきりとした理由はわからないと断った上で「子供たちに人気があるのは事実です。ウサギはすぐ増えて飼いやすい。学校間で譲ったり、引き受けたりなどの交流もあるようです。そのため、多くの学校で飼われているのではないでしょうか」と説明した。