「中止は避けたい」 佳子さま10秒間の拝礼
首都リマのマルテ広場に立つ「日本人ペルー移住百周年記念碑」。現地時間の11月7日、佳子さまは、100人以上が見守る中、記念碑に向かって進まれた。
記念碑には790人の日本人男性の名前が刻まれている。これは1899年、最初に日本からペルーに移住した人たちだ。サトウキビ畑の労働者になった790人のうち124人が厳しい労働環境やマラリアなどの風土病で命を落とした。
静寂の中で、佳子さまは記念碑に献花し、およそ10秒間、ゆっくりと、そして深々と拝礼された。

この碑は、当初、佳子さまがペルー訪問で最初に訪れる場所だったが、日時を変更して開催された。佳子さまの「中止は避けたい」という強い希望から実現した。
宮内庁関係者によると佳子さまは、見知らぬ土地で苦労を重ねた先人を偲び、献花したいという思いがあったという。ペルー側のテレビカメラは8台並び、佳子さまの様子を伝えた。
ペルーの記者は「真剣な表情をしていて、会場の空気が引き締まるようだった」と佳子さまの様子ついて語っていた。ペルーの国民にとっても、ペルーに根ざした日系人の歴史を知る機会になったのではないか。