佐藤晃子さん:
「近所のタクシーを使った時に、たまたま同じ運転手さんだった。(母親が医院に)行くときにはお腹が大きくなかったのに帰りは赤ちゃんを連れていたと、運転手さんが保険の集金の女性に話をして、その女性が周りに話をしたので、近所の人はみんな知っていたと聞きました。父と母が黙っていたことにも意味があるだろうし、タクシーの方が話をして近所の人が知ることになったことは腹立たしいし、悲しい気持ちになりました」
一方で、佐藤さんは自分が「養子」だとわかったことについては、大きな驚きはなかったと話します。というのも、佐藤さんは幼い頃から「自分は本当の子どもではないかもしれない」と感じる場面が少なくなかったからでした。

理由は、両親の言動です。
佐藤晃子さん:
「父からはよく『男だったら良かったのに』と言われていました。父と母は20代のときに結婚しましたが、なかなか子どもができなかったようです。父は会社を経営していたので、家や会社の跡継ぎが欲しかったのだと思います。父が養子を希望して、もらおうと母を説得したとのではないでしょうか。男の子が欲しいと思っていたのに、生まれた(迎えた)のは女の子の私だった。『男だったら良かったのに』の意味が今になるとよくわかります」

また、父親は仕事で家にいることがなく、母親と2人で過ごすことがほとんどでした。