韓国の与党が、首都ソウルに隣の自治体を編入する「メガソウル構想」と呼ばれる案を打ち出し、国内で波紋を呼んでいます。来年の総選挙に向けた布石とみられ、与党内からも批判が出ています。
韓国・金浦市 金炳秀 市長
「ソウルに編入されるよう協力して下さい」
こう訴えるのは、ソウルの西隣・金浦市の市長。
韓国の与党「国民の力」は先月、「ソウルへの通勤者が多く、生活圏が同じ」との理由で、金浦市のソウル編入を推進すると突如表明。編入が実現すれば、ソウル市の面積が1.5倍も拡大することになり、「メガソウル構想」と呼ばれています。
渋滞や交通の便の悪さに悩む金浦市民は、編入で交通事情が改善することを期待します。
金浦市民
「良いですね。地下鉄が(金浦まで)のびたら良い。(交通問題が)早く解決してほしい」
「一番の問題は交通。2回以上政権が変わったのに何も変化していない」
韓国では、人口のおよそ半数がソウルを含む首都圏に集中し、地方との格差が拡大する一方であることが長らく問題となっています。
その状況でなぜ、いま与党「国民の力」は「メガソウル構想」を打ち出したのか、カギは来年4月の総選挙にありそうです。
前回の総選挙ではソウルなど首都圏にある103の選挙区のうち、「国民の力」の前身の党が勝った区はわずか16。国会で過半数を占める最大野党に次の選挙で勝つためには、首都圏での支持獲得が最重要課題なのです。
最大野党「共に民主党」 李在明 代表
「政府と与党は選挙に焦って政略的な空約束を乱発している」
このタイミングでの「メガソウル構想」に、最大野党は「選挙用の小細工だ」と反発。
与党に所属する自治体のトップでさえ…
仁川市 劉正福 市長(与党所属)
「健全な地方自治を実現しようとする尹錫悦政権の基本的な政策とも合わない」
最新の世論調査では、金浦市のソウル編入に賛成する人は2割あまりにとどまっています。
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