安さにこだわってきた「ピーチアビエーション」ですが、経営は5年連続赤字という苦しい状況にあります。そんな中、現状を打破すべく、起死回生のプロジェクトが進行しています。『安いだけ』からの脱却。ピーチ再生の裏側を取材しました。
「安かろう、悪かろうと書かれています」5年連続赤字のピンチ

関西空港や成田空港などを拠点に国内線25路線・国際線12路線の計37路線を展開するピーチアビエーション。11年前に日本初のLCCとして運航を開始。コンセプトは『空飛ぶ電車』です。
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(ピーチアビエーション 井上慎一CEO ※2012年当時)「電車のように手軽な新しい航空輸送サービスが始まります」
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セルフのチェックインに、一度に多くの客を乗せるための狭いシートなど、既成概念にとらわれない運用で格安料金を実現。安さを売りに急成長を果たしました。
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順風満帆に見えるピーチですが、実は今、創業以来のピンチに直面していました。今年5月、トップの号令のもと集められた従業員。告げられたのは厳しい現実でした。
(ピーチアビエーション 大橋一成CEO)「会社は赤字、品質は悪い、顧客満足も低い、これが現実なんです。“安かろう、悪かろう”と書かれています。悔しくないですか」
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コロナからの回復で他社が黒字転換する中、昨年度の決算は純損失が124億円。そして5年連続の赤字。顧客満足度調査はランキングにさえ入らず、予定時刻の15分以内に出発できたかどうかを表す定時出発率については…。
(ピーチアビエーション 大橋一成CEO)「圧倒的にビリです。ダントツですね。日本の航空会社は定時出発率が90%以上なんです。うちだけずっと80%台で、うっかりすると70%台まで落ちています」
利用者に話を聞いてみると、このような声が聞かれました。
「遅れるイメージ。3回に2回遅れる。遅れたら困るので仕事では使わないです」
「最近3~4回くらい連続で遅れた気はします。そこまでくると『どうせそうだろうな』という感じはありますね」














