ヒグマ出没 背景にまちづくり

カメラマン
「いたいたいた、クマいました!走っています」
2021年、札幌市・東区の住宅街にヒグマが出没。

記者
「クマいました!」
カメラマン
「後ろ後ろ!危ない危ない!お母さん逃げて!」
ゴミ出しに通勤・通学…日常生活を襲った、まさかの事態。

記者
「人が倒れています!警察が駆け寄っています!」

視聴者
「クマいる…あっ!」
4人が、重軽傷を負った。
この出没の背景には、札幌市が行ってきた「まちづくり」があるとされている。

東区の住宅街に現れたのと同じとみられるヒグマは、20日前、5キロほど離れた緑地でも目撃されていた。ヒグマはそこから現場まで、川をつたってきたとみられる。
ヒグマは、身を隠せる茂みや川沿いを移動する。札幌市がみどり豊かなまちづくりを目指した結果、「通り道」が多くできたのだ。
その「通り道」のすぐ先にあった住宅街にヒグマが迷い込み、パニックになって人を襲ったとみられている。

酪農学園大学 佐藤喜和教授
「自然を大切にしよう、生き物を大切にしようという思いや活動が、うまく運んでいるからこそ、みどり豊かなまち・札幌がある。同時にクマやシカ、キツネなど、人間にとって不都合な要素をもたらす動物も身近になってしまう」

対策のひとつが、「草刈り」だという。住民が中心となり、住宅地に隣接する茂みや河原で草刈りをして、クマの「通り道」をなくし、人家に近づくのを防ごうとしている。